前回は温水器や暖房設備についての基準についてご説明しましたが、今回は大家さんがどんな部屋(物件)を提供しなければならないのかについて、引き続きState Sanitary Codeに基づきご説明します。
Habitability Requirements(居住性要件)
先日ご紹介したState Sanitary Codeの中にCMR 410.420:Habitability Requirements(居住性要件)という条項があります。人が生活するうえで最低限必要(主に天井の高さと広さについて)な部屋の条件を規定しています。
要は「劣悪な条件(天井が低く狭く、湿った部屋、例えば地下牢のような)の部屋は貸してはいけませんよ!」
ということです。
条項の最初の(A)(B)(C)では下記の3つの条件の部屋は居住用としては認められません。
- 過度に湿度の高いお部屋(例えば窓のない地下のお部屋など)
- お部屋の4分の3以上の部分の天井の高さが7フィート未満の部屋
- 天井の高さが5フィート未満の部屋
家族3人で、そんなに広い部屋は必要ないのに!
次に(D)でMinimum Square Footage(確保しなければならない部屋の広さ)ついて述べています。
(1)部屋全体の大きさは最初の一人には150Sqft(約14平米、約8.5畳)を、追加一人当たり100Sqft(約9.3平米、約5畳)とを確保しなければならないと規定していますので、二人で住む部屋の広さは250Sqft以上となるわけです。
(2)は下宿(Rooming Unit)についての条項ですので省略。
(3)就寝を目的と(に使用)する部屋、すなわちベッドルームについては一人の場合は70Sqft。2人以上で使用する場合には一人当たり50Sqftが必要であるとしています。従って2人で住むには100Sqft以上なければならないことになります。
MA州の住宅のベッドルームは大体10Ft×10Ft以上になっていますので、お二人でお住まいになるのは問題ないと思われます。ただ、10Ft×9Ftのベッドルームでは厳密にはお二人は住めないということになります。
仲介業者(私と同じ職業)から「ご家族3人ではワンベッドルームにはお住まいになれません」と指摘された方が結構いらっしゃると思います。
私のところにも「本当ですか?」とよく問い合わせが入りますが、「本当です!」と答えます。
これは上記のような理由によるものなのです。
「ただし。。。」
それでは一人とは何歳からカウントするのか?
この法律に年齢は規定されていませんが、判例やその他の法律を鑑みて大体3歳以上を指すようになっているようです。
多くのアパートでは契約時(入居時)に2歳9か月以上の場合には一人とカウントしているようです。これはアパートの契約が一般的に1年契約であるので入居後すぐに違法状態になることを防いでいるためと思われます。
ただ、個人大家さんの中には法律に詳しくなかったり、あまり気にしない方もいらっしゃいますので、何人住んでも構わないという方も少なくありません。住んでいる方がそれで良ければ問題ないとも言えますね。しかし、了解して「住んでおいて」当局に通報するのはよしてください。
賃貸アパートの場合には不特定多数の入居者および入居希望者を相手にするわけですから、法律を遵守する必要があります。悪質だと当局に認定されると営業が停止される可能性もありますので、この点はご理解ください。
窓のない部屋って!?
続く条項CMR 410.430:Natural Light and Obstructions(自然光と障害物)はでは何を言っているかというと。
「要はキッチンやバスルームを除く、窓のない部屋は居住空間とは認めませんよ」ということです。MA州の住宅のリビングルーム、ベッドルームには必ず窓があります。設計の関係などで窓のない部屋ができてしまうこともありますが、その場合はベッドルームと表示して売ったり貸したりすることは基本的にはできないということになります。このような部屋はStudy RoomやDen(書斎)という表示となります。
日本によくある3LDKで入口を入って奥にリビングルームのある間取りの場合、一つのベッドルームに窓がない場合がありますね。この場合、少なくともMA州では3ベッドルームとは表記できません。2BR+や2BR+Denとの表記となります。
「それじゃ、StudyやDenのお部屋にベッドを置いてはいけないの?」と。
内緒🤫ですが、ベッドを置いても問題ないかもしれません。この法律はあくまで大家さんを規制し、時には罰する法律です。大家さんが「これはベッドルームだ!」と主張することはできませんが、入居者が部屋をどのように使用するかを規定しているものではないと思われます。
この法律はあくまでDepartment of Public Health(マサチューセッツ州公衆衛生局)が定めた、私たちが健康に暮らすための最低基準なんです。
【おまけ:ブローカーからの挑戦状!】
さて、ここまで学んだ知識をもとに、こちらの物件を判定してみましょう!
物件データ:
- タイプ:ワンルーム(スタジオ)
- 立地:ボストン近郊(Porter Sq)
- 特徴:半地下(窓の最下部が地面)、広さ 約263sqft(約24.4平米)
問題: このお部屋は、法的に「居住用」として貸し出すことができるでしょうか?また、最大何人で住むことができるでしょうか?
ヒント:ドアの一般的な高さは6フィート以上あります。
正解は…… 「ちゃんとした窓があり採光良好!入口のドアを基準に見ると天井の高さも7フィート以上あるので居住用として十分条件を満たします」また、「広さは250sqft以上あるので2人でもOK!」となります。
皆さんの予想はいかがでしたか?こうした細かいルールが、実は私たちの安全で健康な生活を守ってくれているんですね。
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⚠️ 免責事項:私は不動産関連の法律を勉強しMassachusetts州のReal Estate Brokerライセンスを取得していますが、弁護士ではありませんので、個別のケースへの法的なアドバイスはできません。あくまでも一般論としての見解です。

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