ボストンでの家探しを始める際、多くの方が真っ先に候補に挙げるのが「Brookline(ブルックライン)」です。ボストン市に隣接し、医療機関が集まるロングウッドエリア(Longwood Medical Area)へも近く、非常に利便性の高い地域です。
しかし、いざ探し始めると「家賃が高すぎる」「希望の条件に合う物件が全く出てこない」という現実に直面します。なぜこれほどまでにハードルが高いのでしょうか?
今回は、ボストン近郊の人気エリアの「実情」を、現地の不動産事情を知り尽くしたプロの視点で詳しく解説します。
■ 圧倒的人気の「Brookline」に立ちはだかる「ゾーニング」の壁
ブルックラインがこれほどまでに高額で、かつ供給が少ないのには理由があります。
この街は「Zoning(ゾーニング)」をはじめとする建築基準が極めて厳しく、純粋な住宅エリア(Residenceエリア)には、新しい集合住宅(特に商業的な)を建設することが法律で認められていません。旺盛な需要があるにもかかわらず、新しい建物が建たないため、既存の物件の家賃は必然的に高騰します。

例えば、築100年以上の歴史を持つ「Longwood Towers」という有名な物件があります。2007年に全面改装され、室内に洗濯機・乾燥機が完備されましたが、その2BR(2LDK相当)の家賃は現在、月額6,000ドル前後にまで達しています。
■ 日本人に人気の「学校区」と「Lead Paint(鉛塗料」の戦い
ブルックラインには、日本人の支援体制(日本語ができるガイダンスティーチャーなど)が整った「Lawrence」や「Lincoln」という非常に人気の高い学校があります。
しかし、これらの学区はボストン市に最も近く、人口が密集しているエリアです。家賃が驚くほど高額なだけでなく、建物が古いために「6歳未満のお子様」がいるご家族にとって必須条件となる「Lead Paint(鉛塗料)対策済み物件」を見つけることは、至難の業と言わざるを得ません。
■ 郊外エリアの魅力と「交通機関」のトレードオフ
「良い学区」を求めて、さらに郊外へ目を向ける方もいらっしゃいます。
- Belmont(ベルモント)& Lexington(レキシントン): 学区の質としてはトップクラスです。特にベルモントは、皇后陛下が高校時代を過ごされた場所としても知られています。ただし、これらのエリアには地下鉄(T)が通っていません。車社会であることを受け入れられるかどうかが、大きな分かれ目となります。
- Newton(ニュートン): 地下鉄グリーンラインが通っていますが、駅から徒歩圏内にまとまった集合住宅が非常に少ないという特徴があります。駅近を希望される方には、選択肢が非常に限られます。
唯一のGreen Line Dの駅前にあるWoodland Station Apartments - Arlington(アーリントン): 地下鉄レッドラインの始発駅「Alewife」から徒歩圏内のエリアがあり、利便性は高いですが、こちらも物件の供給量は限定的です。
■ プロからのアドバイス:ボストンの家探しは「足し算」ではなく「引き算」
「良い学区」「駅近」「室内洗濯機」「予算内」。これらをすべて満たす物件は、現在のボストン市場には残念ながら存在しません。
「通勤時間を優先して地下鉄沿線にするか」「交通の便を妥協して、静かで教育環境の良い郊外にするか」。ボストンでの家探しを成功させる秘訣は、こうしたエリアごとの「壁」を正しく理解し、ご家族にとっての優先順位を明確にすることにあります。
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免責事項:弊社のスタッフは弁護士ではありません。この記事はマサチューセッツ州における一般的な不動産ルールの解説であり、個別のケースに対する法的なアドバイスを提供するものではありません。具体的な法的トラブルについては、専門の弁護士にご相談ください。

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