こんにちは!ボストン近郊で不動産ブローカーをしているこがちゃんです。
ボストンでアパートを借りる際、初期費用として支払う「Security Deposit(保証金)」や「Last Month’s Rent(最終月家賃)」。 まとまった金額を大家さんに預けるのは不安なものですが、ご安心ください。マサチューセッツ州(MA州)の法律、具体的には「テナント保護法(MGL C186 S15B)」は、このSecurity Depositの扱いについて、大家さんに対して驚くほど厳格な義務を課しています。
今回は、日本の「敷金」とは全く異なる、ボストンの預け金の管理ルールと、退去時に一円も損をしないための知識をプロの視点で解説します。
1. 預けたお金は「別口座」で管理される
大家さんは、受け取ったSecurity Depositを自分の懐に入れてはいけません。必ず**「Escrow Account(エスクロー口座)」**という、入居者のための独立した専用口座に預ける義務があります。
さらに、大家さんは入居から30日以内に「どこの銀行の、どの口座番号に預けたか」を記した受領書を渡さなければなりません。これは、大家さんが勝手にお金を使うことを防ぐための強力なルールです。
2. 「金利」が付いて戻ってくる!?
ここが日本と大きく違う点です。Security DepositやLast Month’s Rentを1年以上預ける場合、大家さんはその**「金利分」を入居者に清算する義務**があります。
- Security Deposit: 銀行に預けられた際に発生した利息分が、1年ごとに清算(または家賃から差し引き)されます。
- Last Month’s Rent: もし大家さんが銀行に預けず手元に置いていた場合でも、年5%の金利を付けて入居者に清算しなければならないという厳しい規定があります。
3. 「適当な差し引き」は厳禁!30日以内の清算ルール
退去後、大家さんは30日以内にSecurity Depositを返却しなければなりません。 もしお部屋にダメージがあり、修理費用を差し引く場合は、「だいたいこれくらい」という適当な見積もりは許されません。必ず**修理費用の明細(領収書や見積書)**を提示する義務があります。
これらが守られない場合、大家さんは保証金の返還義務を失うだけでなく、ケースによっては3倍の金額(Treble Damages)を支払うよう命じられることもあります。*裁判官の判決による
4. 「壁の穴」はどこまで許される?
よくお客様から「絵を飾るためにピンを刺しても良いですか?」と聞かれます。 多くの賃貸アパートでは、**「ダイム(10セント硬貨)の大きさ」**程度までの穴であれば、通常の生活で生じる摩耗(Normal Wear and Tear)として許容されています。
アメリカでは壁に絵や家族の写真を飾ることは「生活の必需」と考えられているからです。ただし、大型テレビを設置する際は購入したお店(Best Buyなど)に設置を依頼してください。DIYが得意な方でも予想以上に壁にダメージをつけてしまう可能性があります。また、設置の際には管理事務所などに事前に確認することをお勧めします。
■ まとめ:法律を知ることで、安心してボストン生活を
いかがでしょうか。MA州の法律は、正しく行動するテナント(入居者)を徹底的に守ってくれます。 「預けたお金がちゃんと返ってくるか不安……」という方は、ぜひこれらのルールを頭の片隅に置いておいてください。
💡 預け金のトラブルや契約でお悩みの方へ
「退去時に不当な請求をされないか心配」「契約書に書かれているデポジットの条項を確認してほしい」など、ボストンの商習慣に合わせたアドバイスをいたします。 安心して新生活をスタートし、笑顔で退去の日を迎えられるよう、現地のプロがしっかりとサポートします。
免責事項:弊社のスタッフは弁護士ではありません。この記事はマサチューセッツ州における一般的な不動産ルールの解説であり、個別のケースに対する法的なアドバイスを提供するものではありません。具体的な法的トラブルについては、専門の弁護士にご相談ください。

コメントを残す