今回はまだご紹介していなかったタウンの中から、Maldenを取り上げます。ボストンからOrange Line一本でアクセスでき、近年はダウンタウンの再開発とアジア系コミュニティの拡大という2つの側面で注目されているエリアです。
1. アクセス:Orange Line一本でボストンへ
Maldenの最大の強みは、なんといってもOrange Line「Malden Center」駅です。ボストンのダウンタウンまで電車で15分ほど、1日約12,000人が利用する主要駅の一つで、この駅周辺(Malden Center)を中心に、この10年ほどで大きな再開発が進みました。
- J Malden Center(Jefferson Apartment Group開発):旧市庁舎跡地を再開発した320戸の集合住宅+店舗+新市庁舎オフィスからなる大型プロジェクト(2019年オープン)
- Residences at Malden Station 138:1895年築の歴史的建物(旧Browne-Masonicビル)を改修・増築した69戸の物件。駅から徒歩4分
- Exchange 200:旧銀行の事務センタービルを、Starbucks(Malden初出店)やレストランを含むオフィス・ライフサイエンス拠点に転換
2014年以降、ダウンタウンだけで800戸以上の住宅が新規供給され、今後さらに300戸超が計画されているなど、Orange Line沿線の中でも特に開発が活発なエリアです。

さらに、Malden CenterからOrange Line で南にわずか2駅(Wellington、Assemblyの順)のAssembly駅を降りると、Somervilleの「Assembly Row」が広がっています。Nike、Brooks Brothers、Saks OFF 5THなどのアウトレット店舗、12スクリーンのAMCシアター、LEGOLAND Discovery Center、Legal Sea Foodsなどのレストランが集まるおしゃれなショッピング&レストラン街で、休日のお出かけ先としてもアクセスしやすい立地です。
豆知識:Maldenはかつて「バックオフィスの町」という位置づけでしたが、近年はテック・ライフサイエンス系のオフィス需要も取り込み始めています。駅前の再開発により、住む・働く・遊ぶが一体になった「Live-Work-Play」型の街づくりが進行中です。
2. アジア系コミュニティの拡大
ここ数年でよく話題に上るのが、Maldenのアジア系コミュニティの存在感です。2024年の国勢調査データでは、Maldenのアジア系住民は人口の27.5%を占め、州内ではLexington(31.6%)、Quincy(28.9%)に次ぐ3番目の集中度となっています。中心となっているのは中華系で、続いてインド系、ベトナム系の住民が多いとされています。
Orange LineでボストンのChinatownまで乗り換えなしでアクセスできる立地の良さもあり、「ボストン北側のアジア系コミュニティの拠点」としての役割を担うようになってきました。地元では、Greater Malden Asian American Community Coalitionという団体が中心となり、連邦からの助成金も得て、ダウンタウンにアジア系コミュニティのための新しい施設を作る計画も進んでいます。
日常の買い物では、市内にある「99 Asian Supermarket」が中華・日本・ベトナムなど幅広いアジア食材を扱う実店舗として利用されています。よく知られる大型店のKam ManやC-MartはQuincyやボストン市内(Chinatown等)が拠点で、Maldenには別の地元密着型のアジア系スーパーがある、という形です。また、ダウンタウンにある「Ebisuya Japanese Noodle House」(Summer St.)は、地元メディアでも取り上げられたことのある本格ラーメン店で、日本食が恋しくなったときの選択肢としても知られています。
豆知識:Malden市長のGary Christenson氏はアジア系ではなく、2012年から市長を務める人物です(2026年7月時点でも在任中)。ただし、アジア系コミュニティ団体とは毎月面会し、3年前からは住民とのコミュニケーションのためにマンダリン(中国語)を学び始めるなど、多様性への取り組みに積極的な姿勢で知られています。
3. 住宅市場の状況(2026年6月時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 販売物件の中央値 | 約$665,000 |
| 平方フィート単価 | 約$459 |
| 固定資産税率(FY2025) | $11.32 / $1,000評価額 |
| 賃貸中央値 | $2,867/月 |
| マーケットの傾向 | 需給バランス型(在庫月数 約2.9ヶ月) |
ボストンの主要駅(North Station)まで一本で出られる利便性を考えると、周辺の同規模都市と比べても価格面での割安感がある地域と言えます。
プロのまとめ
Maldenは、通勤の利便性・再開発による新しい住宅ストック・そしてアジア系コミュニティの厚みという3つの要素が組み合わさった、独特の魅力を持つタウンです。特にご家族での日常の買い物や食文化に馴染みやすい環境を重視される方には、検討する価値のあるエリアだと思います。ダウンタウンの新築物件を中心に選択肢の幅も広いので、ご希望の条件があればぜひご相談ください。
本記事のデータは、City of Malden、U.S. Census Bureau(2024年ACSデータ)、Boston Globe報道(2024年5月)、BMN Boston(2026年6月時点の不動産市場データ)等の公開情報に基づいています。

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